目に見えない星

5歳10ヶ月。

Smileが、わたしの英語レッスンにアシスタントとして参加するようになってから、4年くらいになります(過去の記事『5歳には酷だけれど』)。

3歳になるくらいまでは駄々をこねたり、癇癪を起こしたりして大変な時期もありましたが、最近ではアシスタントに徹するようになってきました。

でも 親子でやるのは 「難しい」と感じることがまだまだ多いです。

先月の話になりますが、生徒さんの言った一言にSmileがひどく傷ついたときがありました。

小学生のクラスでは、英語の発話を促すためにポイント制を用いています。

発言を積極的にしたら、ホワイトボードに星ひとつ。全て英語で頑張ったら、また星ひとつ。カード取りゲームで勝ったら、また ひとつという風に。

もちろんSmileも星をもらえますが、アシスタントという立場なので、一番多くもらうことはほとんどありません。

本人にもそう説明し、理解してもらっていたつもりでした。

そしたら、ある時に生徒さんの一人がボソリと一言。「Smileは星ふたつだけだ」と。

たった一言でしたがSmileはひどく傷ついたようで、レッスンの空気が一変するほど表情が曇り、泣き始めました。

「泣くなら、洗面所で」と英語で伝えると、5分ほどでしょうか、洗面所に閉じこもっていたSmile。

しばらくしたら落ち着いたのか、静かに扉が開いてまたレッスンに参加してくれました。

レッスンが終わったあと、Smileとまた話し合うことに。

  • わたし:So why were you sad in the class today?(今日はなんで悲しくなったの?)
  • Smile: 《思い出してまた涙目になり》Because K said I only had 2 stars….(だって Kくんが、わたしが星2つしかないって言ったから)
  • わたし:You were sad because he said that?(そう言ったから悲しくなったの?)
  • Smile: Yeah….(うん)
  • わたし:You know that you’re not like other students, right?(他の生徒と同じではないって分かってるよね?)
  • Smile: Yeah.(うん)
  • わたし:You know that I give them stars because I want them to get motivated to speak English?(みんなに英語をもっと話して欲しいから星をあげてるって知ってる?)
  • Smile: Yeah.(うん)
  • わたし:I know you already know everything I teach in the class. Do you understand why you can’t get more stars than other kids do?(わたしがクラスで教えることはもう全部知ってるって、お母さん知ってるよ。なんで他の子より星を多くもらえないか分かってる?)
  • Smile: No…(ううん)
  • わたし:That’s because you already have invisible stars. Stars other people cannot see. You have one million invisible stars.(もう既に見えないけど星があるからだよ。他の子には見えない星。目に見えないけれど、百万個の星があるんだよ)
  • Smile: One million stars?(百万個の星?)
  • わたし:That’s right.(そう)

こう話すと、表情が一気に明るくなったSmile。星をもらえないことは もうあまり気にならないようでした。

小学校に入るまでは、わたしのレッスンに参加することもまだ多いと思います。

年齢が他の子よりも上であれば、まだSmileも「お姉さんとして教える」感じになりやすいけれど、大半はSmileと同年代か年上。

なかなか そういう雰囲気にはなりにくい。

レッスン外では たくさん褒めて 「ありがとう」を言おう、と改めて思った日でした。

先日の猛暑日。

2年前、インターナショナル・スクールに行ってしまったプリスクール仲間と。今でも大の仲良しです。

読み書きの必要性

5歳3ヶ月。

親が英語ネイティヴの子どもに読みを教え始めて 半年ほどが経ちました(過去の記事『ネイティヴの子とフォニックス②』)。

当初は2人同じ時間に教えていたのですが、上達スピードが違うため、

同じ時間に教えるのが難しくなり、途中から個別指導に変更。今は、50分だったのを一人30分にして教えています。

一人は読みもスムーズになってきたので、日記を書いたり、本の感想を書いたり、少しずつ書きの練習も取り入れてます。

そして昨日からまた一人加わりました。

その子は、お母さんがイギリス人で、地元の公立小学校に通っています。

簡単な文は読めるものの、今年中にインターナショナルスクールに入れることを視野に、それまでに読み書きを身につけさせたいとのこと。

わたしの周りには、日本の学校に通わせているけれど、「子どもたちにも母語である英語を上達させたい」という外国人の友達が結構います。

共通点は、「英語を話すのは問題ないけど、読み書きを教えるのは難しい」ということ。

いったん、読み書きができるようになれば、家での取組みも難しくない。でも そこまで持って行くのが難しいようです。

Smileにバイリンガル育児をするのとは また違う「読み書きのニーズ」。

そういったニーズにも応えられるように わたしも日々勉強です。

昨日 読みのクラスで読んだ本。Smileの為に買い揃えた本が ここでも役立っています。

親子ベビークラスもハロウィン

5歳1ヶ月。

昨日はSmileを連れての親子ベビークラスでした。

毎回 アシスタントとして大健闘のSmile。赤ちゃんたちも、ちょっと年上の子と言うので 興味が湧くのかもしれません。

今回は赤ちゃんたちは仮装なしでしたが、ハロウィンの歌を絵本をやりました。

レッスンと言っても、年齢は0歳から1歳。

赤ちゃん達が見入っていた本は、やはりハロウィンの定番、”Go Away, Big Green Monster!

そしてもう一冊は、これも定番の”Boo Who?“。

英語の文も簡単にはせず、そのまま読みます。でも どうしてあんなに皆んなが皆んな 食い付きが良かったのか?

それはお母さんも一緒に声に出して読んでくれたから。

わたしが読んだあとに、お母さんも大きな声でリピートしてくれたので、子ども達も自分のお母さんの声に反応したのだと思います。

レッスン後、一人のお母さんに、「じっと座って、一冊を最後まで読める状態じゃないけど、それでもいいのか?」という質問がでました。

初めはほんの一瞬でも、一ページでもいいと思います。毎日、子どもを膝に乗せて お母さんとの「絵本時間」を習慣づける。

そうやって2歳、3歳になって子どもも「絵本を楽しめる」ようになるのだと思います。



段々とモンスターの顔が消えていくという この仕掛け絵本。本当によく出来ています。

小学生クラスでも人気の絵本です。

ハロウィン・レッスン

5歳1ヶ月。

今日は、出張レッスンでした。

人数も増え、3歳から参加しているちびっ子たちも4歳になったことをきっかけに、母子分離クラスとなりました。

始めた当初から母子分離を提案していましたが、「まだ少し心配」という声もあり、しばらくは親子クラスで続けてきました。

でも子どもが幼稚園に行きだしてからは、母子分離も大丈夫と分かってくれたようで、今月から母子分離クラスに。

そして想像はしていましたが、生徒さんたちが別人のよう。

「あれ。いつもは恥ずかしがって言わないのに」という男の子が一番大きな声で、ハキハキと答えるではありませんか。

今日は、みっちりハロウィンテーマでのレッスンでしたが、最後まで集中を切らさず、

“Show me, please!(見せてください!)”

“One more, please!(もう一つください!)”

“Jack-o’-lantern, please!(ジャック・オー・ランタン、ください)”

“Go away, monster!(モンスター、いなくなれ!)”

と元気いっぱいの発話。

レッスン回数が少ないクラスですが、おうちでの取組みもお話しながら、なるべく自発的な発話へと繋がるように、わたしも頑張らねば。

Smileは左から2番目。

“I wanna be a skeleton(がい骨になりたい)”と言っていたSmileですが、用意した骸骨の衣装は完全ホラー。

「怖がる子もいるかもしれない」ということで、去年 着た天使の衣装を着ました。

 

ネイティヴの子とフォニックス ②

4歳11ヶ月。

両親ともに英語ネイティヴの子たちにフォニックスを教え始めて 3ヶ月(過去の記事『ネイティヴの子とフォニックス①』)。

4歳の子は “Peg got the big hat.”のような文は スムーズに読めるようになりました。

6歳の子は、始めた当初は文字に意識が向きにくく、”c-a-t”などの3文字も 難しかったのが、

3文字はスムーズに読めるようになってきました。

例えば、”rーuーg”という3つの音を、初めは一つ一つ読んでいたのが、徐々に繋げられるようになり、

“rーuーg”→”r-u-g”→”rug”

というように、ブレンデング(複数の音を繋げて読むこと)することも できるようになってきました。

文字だけに意識が行くように、シンセティック・フォニックスを中心にやってきましたが、それが良かったのかもしれません(フォニックスの手法について こちら )。

ともすると退屈になり兼ねない読みの練習。毎回、ゲームやアクティビティも入れつつ 工夫しています。

そして今回、一人のお母さんに相談されたのが、他にも読みをやらせたい親はいるが、読みのクラスを増やすことは考えているか、ということ。

わたしが住んでいる地域には、駐在や仕事の関係で 日本に長く住む予定の外国人の親子が比較的 多く住んでいます。

そして インターナショナルスクールに子どもを送る親もいれば、日本の幼稚園や小学校に通わせている親もいます。

わたしの友達は、インタープリに通わせた後は 日本の小学校に通わせる人の方が多いです。

このアメリカ人の友達のように、

自分が英語ネイティヴで、子どもにも英語を維持して欲しい親は 結構いるが、みんなどのように 読みを教えたらいいか分からないとのこと。

そして、リーダー本や絵本はたくさんあるけれど、下の子の世話もあって、なかなか じっくり取組みをするのも難しい と。

やはり親が英語ネイティヴでも、話せるようにするのとは勝手が違って、読みを教えるのは 苦労するようです。

外国人の友だちと話していても 最近 特に それを感じます。

日本に住む以上、母語である英語は維持させたい。赤ちゃんのときは考えもしなかったけれど、子どもには母語でも読み書きが出来るようになって欲しい。

彼女たちの想いは わたしが想像するよりも はるかに切実。

わたしも 少しでも何かできないか思案中です。


Smileにとってのフォニックスは、2歳くらいから歌を中心に覚えたので、生活の一部でした。

今やっているようなレッスンとは 全く異なります。

歩きながら、バスの中で、電車の中で…フォニックスをやったのは、日々の生活の中で 5分やそこら。

本当に少しずつやってきたので、本人は、フォニックスのルールをやったとは気が付いていないかもしれません。

わたしのアメリカ人の友達も、そうやって「知らないうちに読めるようになったから、教えられない」と。

フォニックス、奥が深いです。

過去の記事

親子ベビークラス

4歳8ヶ月。

先月より、勤め先の英会話スクールで、親子ベビークラスが始まりました。

普段は、小学生クラスと大人のクラスを担当しているのですが、今回、1歳までのベビークラスも担当することに。

定員は10名ですが、予想以上の申込みにびっくり。6月はキャンセル待ちも多いため、7月分を急遽 増やすことに。

でも、自分の英語サークルや プライベートレッスンもあってスケジュールは ぎっしり。そのため当座は月1〜2回に限定。

初回はスクールにお願いして、Smileも同伴することに。

手足を使った遊び歌や、絵本の読み聞かせを中心に 45分。

45分のうち10分は、家での取組みを紹介しました。「英語は苦手だけれど、どんな取組みをしたらいいのか知りたい」という、とても熱心なママばかりで質問もたくさん。

Smileも、道具を配ったり、赤ちゃんをあやしに行ったりと、随分と手伝ってくれました。

同伴は今回限りと思っていましたが、”I wanna do it again(またやりたい)!”とSmileからリクエスト。

しばらくはSmile同伴の親子ベビークラスになりそうです。

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レッスンの準備をしている横で、「やけに静かだな」と思って横を見ると、アルファベットのフラッシュカードを作っていたSmile。

Smileへのバイリンガル育児と同様、親子ベビークラスに参加する親子が、少しでも楽しんでくれたら嬉しいです。

 

ネイティヴの子とフォニックス ①

4歳8ヶ月。

先週は、英語ネイティヴの子どもへの 読みレッスン初日でした(過去の記事『英語ネイティブの子に読みレッスン』)。

4歳のEちゃんと 6歳のBちゃん。2人とも母語は英語です。

事前に2人の読みのレベルは聞いてはいたものの、実際にレッスンをしてみないと分からないので、

いつもよりもレッスンプランは入念に。フラッシュカードや教材も多めに用意しました。

普段、日本語が母語の子ども達に教えるときは、アナリティック・フォニックスを使っています。

ABCの順に教え、「A」の名前は「エイ」で、音は「ア」という風に、名前と音を同時に教えていきます。

単語の最初の音が大事にされるのも特徴。たとえば”ball(ボール)”という言葉だったら、

ボールの絵を見せながら、

“What letter does it start with?(なんの音から始まる?”と聞き、

子どもは  「ブ」 と答える。

Smileもほとんどアナリティック・フォニックスで音を覚えてきました。

ただ普段、英語に関わりがない子たちに教えるときに難点が。語彙力をある程度つけないと、アナリティック・フォニックスは時間がかかるということ。

アナリティック・フォニックスで読めるようになっても、語彙力がなければ、文の理解にも時間がかかります。

そのため、語彙を増やすアクティビティもたくさんします。

今回は、英語ネイティブなので、語彙の部分は簡単にクリア。

でも今度は違うハードルが。語彙力があるからこそ、絵から単語を推測してしまい、文字に意識がいかないのです。

たとえば、「W」のカード。クモの巣が描かれているフラッシュカードを見て、Bちゃんが即座に

  • Bちゃん: Oh, I know what it is! It’s a spider web!(何か分かった!クモの巣でしょ?)

そして “w-e-b(クモの巣)”の文字には意識がいかず、最初の音である「w」の音もなかなか入らないのです。

そんなことが何度かあり、もしかしたらアナリティック・フォニックスは この子たちに向かないんじゃないか、という判断に。

そのため次回は、文字の「音」だけに意識を向かせるために、シンセティック・フォニックスでアプローチしてみようかと。

実はSmileは、シンセティック・フォニックスにも馴染みがあります。プリスクールでJolly Phonicsの歌に触れていたからです。

シンセティック・フォニックスは、ABCの順には教えず、よく使う音から、7つのグループに分けて教えていきます(グループ1: s   a   t    i   p   n)。絵による推測もしません。

単語の最初の音だけに注意を向けるのではなく、初めから一つ一つの音に注意を向けるので、

習った音を組み合わせて、早い段階から読めるようになります。

たとえば、グループ1(s  a  t  i  p  n)の3文字(s  a  t)を習っただけで、”at”や “sat(座った)”という単語を読めるように。

英語ネイティヴだから、すんなり音も入るかと思いきや、思わぬところで出てきた課題。

子どもによって、言語習得過程が異なるように、当然 読めるようになる過程や速度も異なる。

講師としても日々 勉強です。

レッスンの準備をしている傍で、レッスン用に使うゲームで 遊ぶSmile。

おうちでの取組み

4歳5ヶ月。

昨日は、英語の出張レッスンでした。3歳児 4人と Smileです。

4人のうち2人は、1歳半の頃から不定期に英語を続けてくれた子たち。昨日は、お母さん達に頼まれて、ママへのレッスンもしました。

おうちでは どういう取り組みをしたら良いか。

これまでもレッスン後に お話することはありましたが、昨日は 少しレッスン風に体系立ててお話しました。

まず最初に確認したのは、子どもに「どんな風になって欲しい」か。

  • 英語に親しめればいい
  • 英語を話せるようになって欲しい
  • 読み書きもできるようになって欲しい
  • 両言語を同等に使いこなせるようになって欲しい

そうしたら、皆んな口を揃えて答えてくれたのが、「英語を話せるようになって欲しい」ということ。

2年前も同じ質問をしたのですが、その時は「英語に親しめればいい」という答えだったので、少し驚くと共に ひと安心。

子ども達が少しずつでも 英語でやり取りができるようになってきているのを見て、お母さんたち自身、英語に対する意識が少し変わってきたのを感じたからです。

子どもが自発的に話し、会話が成り立つようになるには

  • 意味のあるインプット
  • 毎日の取り組み
  • 絵本の読み聞かせ
  • 定期的に質の高い英語に触れること(社会的な関わりがあり、インタラクションがある英語のこと)

が最低限 必要になってくると お話しました。

「質の高い英語」は、必ずしも英語ネイティヴと話すということを意味しません。

絵本を読み聞かせたり、語りかけをしたりするなど、

周りの人とのインタラクションを通して、子どもにとってそのインプットが大切な意味合いが生まれるかどうか、

それが「質の高い英語」=「良質な英語」かどうかを左右します。

Smileの場合は、わたしの語りかけを軸に 英語での取り組みを進めました。

語りかけが全くない場合は、英会話スクールやオンラインレッスンなど、

家庭によって何を軸にするかで取り組みが変わって来ると思います。

英語を話すことが特別でない社会になるといいなぁ、と思いながら また4月から頑張ろうと思います。

英語レッスンのクラフトで作った雛人形。今日は、普段から使っている”circle(円)”や”semicircle(半円)”以外に、”crown(冠)”や”flower petals(花びら)”も覚えました。

写真はSmileの作品。花びらが頬っぺたになっているのが面白い。