3歳0ヶ月。
日本語も英語も、まだまだ文法的にも表現的にも間違いが多いSmileですが、会話が途切れない程度に間違いを訂正する場合もあれば、そのまま会話を続けることもあります。
ライティングでもスピーキングでも、学習者のアウトプットの場で、文法的な間違いを訂正することの意義と必要性は、長いこと第二言語習得研究の場でも議論されてきました。
- Fluency(流暢さ)vs. Accuracy(正確さ)
どちらを優先するか、どのように間違いを訂正するか(はっきり訂正するか、遠回しに訂正するか)、仮に訂正したとしても学習者がそれに気が付くか、ということも問題になってきます。
Fluency(流暢さ)を優先した場合、学習者は言語を使うことに対して自信が持てるようになり、より表現しようとするけれど、正しい文法を身につけられるとは限らない。
反対に、Accuracy(正確さ)を優先し、学習者が間違える度に訂正していたら、学習者のやる気をなくさせる可能性もあるし、新しい表現を使わなくなってしまうかもしれない。
Smileとわたしは親子なので、間違える度に直しても、そこまで悪い影響はないと思っていますが、会話の流れはなるべく中断させたくないし、反対に直接的でない訂正は気付かれない場合が多いので、工夫が必要だと感じています。
直接的に直す
- Smile: 《前日に描いた絵をお父さんに見せたくて》Daddyにshow it したいの。
- わたし:ダディに見せたいの?
- Smile: うん!見せたいの!
- Smile: 《お絵描きしている最中に》ねぇねぇ、どうやってdrawするの?
- わたし:どうやって書くの?
- Smile: どうやって書くの?
- Smile: When I was five years old, I wanna eat chocolate.(5歳だったときにチョコレート食べたいの)
- わたし:When I am five years old.(5歳になったら)
- Smile: When I am five years old.
遠回しに直す
- Smile: 《両手を広げて》When I was bigger and bigger, I wanna walk all by myself!(もっともっと大きかったとき、一人で歩きたいの)
- わたし:Yes, you can walk by yourself when you are older. (そうね、もう少し大きくなったら一人で歩けるね)
- Smile: 《頷いて》Yes.(うん)
直接的に直したいときは、発語全てを正しい文に言い直し、”You”と言うべきところも”I “とそのまま使います。Smileが「自分の発話が直されている」とより明確に分かるからです。
遠回しに直したいときは、間違えた部分だけを訂正し、会話の中で言い直します。
第一言語習得の場合は、母親は意味に重点を置くために(Focus on Meaning)、遠回しに直すことが多いそうですが、上のSmileのように、訂正されたこと自体に気が付かず、そのまま会話が続けられることが多いようです。
教室環境では、また親子とは違う状況なので、フィードバックの与え方にも、より様々な面で配慮が必要になると思います。
コメント
こんばんは。初コメントです^^
間違いを訂正したい時私は、「おうむ返し」を利用していました。おうむ返しをする際にさりげなく間違った表現を訂正。
今回の記事の例で言うと、「Daddyに見せたいの?」がおうむ返しですね。(文を訂正しているニュアンスではなく、「Daddyに見せたいのね。」と聞き返している感じで)
おうむ返しは、言葉自体、そして子どもの存在自体を承認することに繋がるので、コーチングでも奨励されているテクニックでもあります。
子どもは間違いに気づきやすいし、否定されている気分にもならないので、我が家では効果がありました^^
ところで、ブログのプロフィールのページを拝見しましたが、ハワイ大学で TESLを取られたのですね!
実は私、ハワイ大学が第一希望だったのです。
でもロータリーから奨学金をもらう関係で、一度6ヶ月以上滞在した国はだめだということになり、アメリカの大学はすべて却下されちゃったんですよ〜
ママはTESOLホルダーさん、
コメントありがとうございます!なるほど、「おうむ返し」と言うんですね。今はまだ3歳なので訂正されても何とも思ってないですが、今後成長するとともに感情も複雑になってきたら、どうすればいいか色々と思案していたのでとても参考になります。
ハワイ大学が第一希望だったんですね!なんだかすごく嬉しいです。素晴らしい教授陣が揃っていて、苦しい日々でもありましたが、本当に刺激を受けた月日でした。
わたしの専門は、社会言語学(第二言語ライディングとアイデンティティー)だったので、今頃になってペダゴジーや習得理論をもっとやっておけば良かったと思っています…T_T
今、コメントを読んで思いましたが、ティーチングとコーチングの知識が合わされば、かなり有効な教授法につながりますね!(わたしはコーチングの知識はないですが…)