インプットって何?

言語習得・英語教育

今でこそ、至るところで耳にする『インプット』という言葉。

日本の英語教育で使われている「インプット」は、言語学者のStephen Krashen氏が提唱したインプット仮説から来ていると言われています。

いろいろな批判もあるものの、今でも言語習得では有名な仮説。

今は、「大量のインプットが大事」というメッセージが一人歩きしているような…そんな印象を受けますが、それって本当なんでしょうか?

ひと昔前は『英語をシャワーのように浴びたら、ある日 突然英語が溢れ出す』と言う表現をよく目にしましたが、今は

インプット2000時間で英語を習得できる

という文句をよく目にします。どちらも原理は一緒。

ある一定量のインプットを与え続ければ、英語を話し始める(聞き取れるようになる)

という考え方。でも、実はこの「2000時間」にはこれと言った根拠はないようです。十分なインプット量の「目安くらいにはなる・・・」程度に思っておいた方が安全かもしれません。

インプットって何?

そもそもインプットって何なんでしょうか?

インプットは、目にしたり耳にしたりする言語情報のようなものと考えると分かりやすいと思います。でも、アウトプット(発話)に直接繋がるものばかりではない。

言語習得でいうインプット理論で重要なのは主に3つ。

  • 理解可能であること
  • 繰り返し与えられること
  • 学習者がインプットに気づくこと
理解可能であることはもちろんのこと、繰り返し耳にすることも大事。そして特に大事なのが、学習者がインプットに含まれる文法要素に気がつくこと。気がつかなければ、インプットが情報として蓄積される可能性は低いということです(Schmidt, 1990)。

インプットの質について

「繰り返し」が大事なのであれば、同じ音源を繰り返し流し続ければ習得になるか?と言われたら、そうではないのが言語習得の難しいところ。子どもの言語・認知レベルに合わない音源や動画をひたすら流し続けても、英語漬けの環境を一時的に与えても、
発話のきっかけになったり、モチベーションのアップになることはあっても、学習者が与えられたインプットの要素に気がつかなければ、意味のあるインプットになるとは限らないのです。
インプット量も もちろん大事。でもそれと同じくらい大事なのが、インプットの質
例えば、子どもに与えるインプットで言うと…
  • その子が好きそうな内容か?(習慣的に観たいと思うか)
  • その子の年齢に適した内容か(言葉遣いや表現など不適切な表現はないか)
  • その子にとって難しすぎないか?(言葉や表現が難しすぎないか?)
  • 日常的に耳(目)にするような、身近な内容か?
  • 教室だったり語りかけだったり、どこかで聞いたことのある言葉があるか?
このように、ただインプットを与えるのではなく、子どもの年齢性格言語レベルといった要素を考えて、インプットを考えて与えるといいのかなと思います。じゃあ、どんなインプットがあるのか?次回は、インプットの種類について触れたいと思います。
【参考文献】
Schmidt, R. (1990). The role of consciousness in second language learning. Applied Linguistics, 11, 129 – 158.

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