6歳1ヶ月。
大学院時代の親友Aちゃんがスウェーデンから一時帰国していて、昨日、家に遊びに来ました。
ハワイでは同じ寮に住み、教育実習のためにベトナムで半年間 一緒に暮らしたり、苦楽を共にした仲。今でもこうやって年に1回でも会えるのは嬉しいことです。
彼女の専攻は、第二言語習得の分野でも会話分析(conversation analysis)といったもので、社会言語学寄り。アイデンティティを研究していた私ともまた違う視点なので、話すと視野がいつも広がるのが面白い。
昨日は、Aちゃんのお子さんの日本語の維持について話が盛り上がりました。
Aちゃんはアメリカ生活が長い帰国子女。Aちゃんのご主人はアメリカ人ですが、数年前より日本語を勉強しているので、普通に日本語で会話できるレベル。二人の会話は ほとんどが英語ですが、Aちゃんから子供へ話しかける言葉は日本語の時もあれば英語の時もある。
Aちゃんの第一子 Kくんは3歳になったばかりで、2歳くらいまで日本で過ごしていたので、日本語で上手にお話ができます。
第二子 Hくんはまだ生後6ヶ月。スウェーデンで生まれました。今後、お兄ちゃんのKくんはスウェーデンのアメリカン・スクールに通わせる予定だそうですが、「心配なのは下の子」と友人。
家庭内では、日本語で子ども達に話しかけているとはいえ、Hくんは日本語環境で暮らした事がなく、これからもスウェーデンで暮らすことになるとのこと。
母語は 英語と日本語になりますが、スウェーデン語の保育園に通えば スウェーデン語が第一言語となる可能性もある。
そして将来、お兄ちゃんと同じようにアメリカン・スクールに通うとなれば、教授言語は英語なので、英語が第一言語に変わる可能性は高い。
お父さんが英語だし、学校での言語も英語だから、子ども達の第一言語は英語、その次に強い言語はおそらくスウェーデン語になるだろうね。
日本語の重要性は低くなりそうだね。
日本との繋がりも薄くなるかもしれない。
その繋がりを維持するためにも、頻繁に日本に帰ってきて、帰ってきたときは、短期でも現地の学校に通わせるなんかして日本語環境に置けるといいのかな。
などという話を友人たちと話しました。
日本では、未だに『第二言語を入れるのは母語を習得してから』という考えが根強くあります。早期に英語をすることは言葉が遅れたり、思考力が育たないなどといった論も出回っています。
確かに極端な教育や偏った方法であれば、子供への負担が出てくる場合もあると思います。
でも、早期英語教育不要論の根底にある考え方は、KくんやHくんのように多言語・多文化な環境で育つ子どもには当てはめることはできないし、そういった多様で動的な言語使用を否定的に捉えているとつくづく思います。
日本人家庭で育ち、日本語で教育を受ける子は、母語と第1言語が一致しているケースが多い。でも母語が一つ以上ある子、母語と第1言語が一致しない子も日本でも沢山いるし、海外にはもっともっといるでしょう。
そういった多様性に富んだ状況を、早期英語教育不要論のような考え方は考慮しきれていないと感じてしまいます。
娘は日本人の両親の元で、日本語環境で生まれ育ち、今後も日本語の学校に通うので、母語は日本語で第1言語も日本語です。
でも「まずは母語」ということ以上に わたしが意識してきたのは、娘が今後 教育を受ける言語(日本語)に対して心地よいと思える環境を作ること。
英語に対しても同じで、日本語環境にどっぷり浸かっていても 英語との繋がりが薄くならないように、英語に対して心地よさを維持すること。
そのバランスを取ることは簡単ではないですが、子どもがどの言語の環境にいても、自分らしくいられるというのは、今後も大事にしたい点。
「どちらかの言語環境では居心地悪い」という状態にならないように、これからも意識していきたいと思っています。
先日行った、インターナショナル・スクールのサイエンス・フェアにて。お友達と紙トンボを作っているところ。友達の存在は やはり大きい。
コメント
こういうとき難しいなぁと思うのが、各家庭で大きく状況も考えも異なるのに、早期英語教育て十把一絡げに言われてしまうことだなー。
わたしがバイリンガル育児していてよかったと(既にいまの時点で)思うのは、娘が、英語話者のお友だちや読んできた絵本を通して”You are excellent (adorable, brilliant, etc.) just the way you are!”とか”Be who you are!”ていう考え方に赤ちゃんの頃からとても頻繁に触れてこられたことだと思ってる(*^^*)
Brit Mumさん
返事が遅くなってごめんね〜。そうなの、国際結婚していたり、家族言語が日本語でないケースもあるのに、全て一緒にしてしまう…というね…。
うんうん、わたしも”I love you.”なんていうのはなかなか日本語で言えないけど、英語だと何故か自然に言えるんだよね。Smileも自然にそれが出てくるから そういうところはバイリンガル育児の良さでもあるのかなって思う〜