滑舌

言語習得・英語教育

3歳2ヶ月。

Smileが2歳半くらいのとき、プリスクール友達のママに、「なんでSmileの英語は聞き取りやすいのか。何かしているか」と聞かれたことがあります。Lちゃんは、Smileより2ヶ月年下で、両親共にアメリカ人です。

Lちゃんのお母さん曰く、Lちゃんは滑舌が悪く、未だに言っていることが分からない時が多い。そしてSmileほど発話もないとのこと。

わたしもお当番の日は、Lちゃん(当時2歳5ヶ月)とLちゃんのお兄ちゃん(当時3歳半)をみることがありましたが、言っていることが聞き取れず、何度も聞き返すことがありました。

その時、Lちゃんのお母さんに言ったのは、わたしは「英語ネイティブスピーカーではないし、話すのもゆっくり。簡単な言葉でしか話さない。だからSmileもはっきりと音を聞き取り、インプットしているのではないか」ということ。

これは、Child-directed speech(子ども向けの言葉)と共通するものでもあるのかなと思います。

Child-directed speech(子ども向けの言葉)

Child-directed speechは、大人が乳幼児に向かって使う言葉で、英語であれば次のような特徴があります:

  • ゆっくり話す
  • 高い調子で話す
  • イントネーションに変化をつける
  • 短く、簡単な文を使う
  • 繰り返す
  • (子どもが言ったことを)言い替えてあげる

母親が言い替えてあげるときは、文法的に正しく言い直し、フルセンテンスで答えることが多いそうです。例えば、

  • 子ども:Dump truck! Dump truck! Fall! Fall!(ダンプカー!ダンプカー!落ちる!落ちる!)
  • お母さん:Yes, the dump truck fell down.(そうね。ダンプカーが落ちたね)

(Lightbown, P.M. & Spada, N. (2000) How Languages are Learned. New York: Oxford Press)

家庭によってchild-directed speechの程度は異なるし、こういった幼児向けの言葉を使わない家庭でも子どもが言語習得する例もあるので一般化はできないようです。

ただ言語的に、より発達している相手(大人や年上の兄弟姉妹など)との会話のキャッチボールは、子どもの言語発達に欠かせないようです。つまり、乳幼児にとって、会話の内容が難しすぎても一方通行でも駄目で、理解できる範囲で会話のキャッチボールがされなければならないということです。

聞き返す

もう一つ、Lちゃんのお母さんに伝えたのは、「Smileの滑舌があまり良くないときは、こちらがはっきり聞き取れるまで聞き返す」ということ。

母親なので、Smileの言いたいことは大体分かるのですが、他の人が聞いても分かるくらいはっきりと発音できるようになって欲しいと思っているので、分からないフリをすることもあります。

例えば、Smileがごにょごにょと滑舌がはっきりしないときは、何のことを言っているのか分かっていても、

  • I’m sorry, what did you say?
  • What were you trying to say?
  • Could you say it clearly?

などと聞き返し、はっきり理解できるまで言ってもらっています。

プリスクールでは、わたしよりも手厳しいSmileのお友達がいるので頼もしい限り。まだ滑舌があまり良くないとき、”I don’t understand what you’re saying!(なに言ってるか分からない!)”と厳しく言われたことも何度かありました。

そのお陰かどうか分かりませんが、今はだいぶ滑舌も良くなり、相手にも分かり易く話せるようになってきた気がします。

そして、今はわたしがはっきり話してないときは、Smileに”What did you say?(何て言ったの?)”と聞き返されます。

コメント

  1. Yuzyママ より:

    先日のプレイデートで、Smileちゃんの話す英語がとてもクリアーなことに驚きました。3歳と言えば、母語でもまだ聞きづらいことも多いのに、あれほどまでに、しっかりと話すのには、意図的にこういった視点から接しているMarikoさんの努力あってこそなんですね。本当に参考になります。

    あの日、二人で遊ぶ姿をもっと写真に収めれば良かった〜と、今頃後悔しています^^;

    次回またお会いできるのを、楽しみにしています♡

    • Mariko より:

      Yuzyママさん、

      そう言ってもらえて嬉しいです^_^ わたし自身、口の中でモゴモゴと話す癖があり、アメリカに行ったときは本当に苦労しました。アメリカ人って、悪気はなくても”Huh?”と言うのがきつく感じたり…

      なので、発音の良し悪しよりも、自信を持って聞き取りやすい英語を話せるようになってほしいなぁと思ってます。

      ほんとほんと、もっと写真撮ればよかったー!また遊びましょうね!

  2. Jun より:

    なるほど〜
    「はっきり発音出来るまで言ってもらう」
    こういう取り組みがあってこその、綺麗な発音なんですね(*^_^*)

    ちなみに、何度もわからないフリをしていて、逆にキレることはSmileちゃんはないですか?(^◇^;)
    なんとか発話をと思って、わからないフリをしていると、息子は段々怒鳴りながら相変わらず日本語のままだったりするんですが(^^;;

    • Mariko より:

      Junさん、

      ありがとうごさいます!あ、たまに怒ることあります、あります!でも、そういうときはわたしも怒ってしまって…

      I just asked because I didn’t hear it. Is it okay to get upset like that?みたいに言うと、少しショボンとして答えてくれます^_^;

      でも、バランスが難しいですよね…。これも、発話が本人の負荷なくでてきてからだとある程度効果があると思いますが、まだ娘の発話を促すのが優先だったときは、娘が聞きたいことを汲み取ってあげて、わたしがフルセンテンスで言い直してあげてAre you trying to say….?と聞いて、うなづいたら、わたしの言った言葉をリピートさせるなどしてました。

  3. ママリン より:

    なるほど!!アメリカ人のお母さんでも、そのように悩むことが、あるのですね。
    たしかに、日本語でも何を言っているのかわからないっていうことよくあります。
    英語でも日本語でもゆっくり、わかりやすく、言い直させながら、発話させてみます。うちも、JunJunのところと同じでわからないとキレてしまうことあるので、I just asked…やAre you trying to say…?の文章使ってみます!
    Smile ちゃん、お母さんにWhat did you say?って言えるなんて!3歳にして、もうママの話し相手になりますね(=^x^=)

    • Mariko より:

      ママリンさん

      わたしの印象ですが、3〜5歳くらいまでは、ネイティヴの子どもで滑舌の良くない子も結構見かけます。センテンスは、やっぱり難しい内容も話せるのですが、wとr, thとsなど、混同しやすいようです。

      わたしも滑舌いい方ではなかったので、母にも注意され続けましたし、アメリカでも鍛えられました^_^;

      話し相手ができると、何だか楽しくなりますよね。Smileも段々上手になってきたので、あと1年くらいでしょうか^ ^

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