英語が母語の子とフォニックス ①

言語習得・英語教育

4歳8ヶ月。

先週は、英語ネイティヴの子どもへの 読みレッスン初日でした(過去の記事『英語が母語の子に読みレッスン』)。

4歳のEちゃんと 6歳のBちゃん。2人とも母語は英語です。

事前に2人の読みのレベルは聞いてはいたものの、実際にレッスンをしてみないと分からないので、

いつもよりもレッスンプランは入念に。フラッシュカードや教材も多めに用意しました。

普段、日本語が母語の子ども達に教えるときは、アナリティック・フォニックスを使っています。

ABCの順に教え、「A」の名前は「エイ」で、音は「ア」という風に、名前と音を同時に教えていきます。

単語の最初の音が大事にされるのも特徴。たとえば”ball(ボール)”という言葉だったら、ボールの絵を見せながら、

“What letter does it start with?(なんの音から始まる?”と聞き、

子どもは  「ブ」 と答える。

Smileもほとんどアナリティック・フォニックスで音を覚えてきました。

ただ普段、英語に関わりがない子たちに教えるときに難点が。語彙力をある程度つけないと、アナリティック・フォニックスは時間がかかるということ。

アナリティック・フォニックスで読めるようになっても、語彙力がなければ、文の理解にも時間がかかります。

そのため、語彙を増やすアクティビティもたくさんします。

今回は、日常的に英語を使うので、語彙の部分は簡単にクリア。

でも今度は違うハードルが。語彙力があるからこそ、絵から単語を推測してしまい、文字に意識がいかないのです。

たとえば、「W」のカード。クモの巣が描かれているフラッシュカードを見て、Bちゃんが即座に

  • Bちゃん: Oh, I know what it is! It’s a spider web!(何か分かった!クモの巣でしょ?)

そして “w-e-b(クモの巣)”の文字には意識がいかず、最初の音である「w」の音もなかなか入らないのです。

そんなことが何度かあり、もしかしたらアナリティック・フォニックスは この子たちに向かないんじゃないか、という判断に。

そのため次回は、文字の「音」だけに意識を向かせるために、シンセティック・フォニックスでアプローチしてみようかと。

実はSmileは、シンセティック・フォニックスにも馴染みがあります。プリスクールでJolly Phonicsの歌に触れていたからです。

シンセティック・フォニックスは、ABCの順には教えず、よく使う音から、7つのグループに分けて教えていきます(グループ1: s   a   t    i   p   n)。絵による推測もしません。

単語の最初の音だけに注意を向けるのではなく、初めから一つ一つの音に注意を向けるので、

習った音を組み合わせて、早い段階から読めるようになります。

たとえば、グループ1(s  a  t  i  p  n)の3文字(s  a  t)を習っただけで、”at”や “sat(座った)”という単語を読めるように。

英語ネイティヴだから、すんなり音も入るかと思いきや、思わぬところで出てきた課題。子どもによって、言語習得過程が異なるように、当然 読めるようになる過程や速度も異なる。

講師としても日々 勉強です。

レッスンの準備をしている傍で、レッスン用に使うゲームで 遊ぶSmile。

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