言葉の間違いと成長

4歳9か月。

昨日、Smileが映画『インサイドヘッド(原題 Inside Out)』を観たいと言うので、わたしが出掛ける準備をしている間、観せることに。

そして行きのバスの中では 質問の嵐。

主人公の女の子 ライリーの頭の中に住む感情たち(Sadness(カナシミ)、Joy(ヨロコビ)、Fear(ビビリ)、Disgust(ムカムカ)、Anger(イカリ)。

それぞれの感情について質問してきたのですが、

Smileの overgeneralization(言語ルールを誤って適用範囲外にも当てはめてしまうこと)がなんとも面白かったです。

  • Smile: Can I see the pictures?(その写真見せて?)
  • わたし:What pictures?(何の写真?)
  • Smile: The girl’s….(女の子の…)
  • わたし:Oh, Riley’s emotions?(ああ、ライリーの感情たち?)
  • Smile: What’s “emotion”?(「感情」って何?)
  • わたし:Umm…It’s a feeling. It’s how you feel in different situations. (うーんと、気持ち。色んな場面で、どんな風に感じるか、その感じ方かな)
  • Smile: Oh.(へぇ)
  • わたし:《スマートフォンの写真を見せながら》Here.(はい、どうぞ)
  • Smile: 《ヨロコビ(感情の一つ)を指して》Is she Joy?(これは、ジョイ(喜び)?)
  • わたし:Yes.(そう)
  • Smile: Why is her name Joy?(何でジョイって名前なの?)
  • わたし:Joy means happiness. So when Riley’s feeling happy, that’s when Joy’s controlling her emotion.(ジョイはhappiness(喜び)って意味なんだよ。だから、ライリーが嬉しいときは、ジョイがライリーの感情を管理してるってこと)
  • Smile: How about Scaredness?(Scaredness(怖さ)は?)
  • わたし:You mean, Fear?(ビビリ(Fear)のこと?)
  • Smile: Fear.(ビビリ)
  • わたし:Fear’s controlling her emotion when she’s feeling scared.(ライリーが怖がってるときは、Fear(ビビリ)が感情をコントロールしてるってことかな)
  • Smile: How about angriness?(Angriness(怒り)は?)
  • わたし:Anger?(イカリのこと?)
  • Smile: Anger.(イカリ)

咄嗟の質問に わたしが しどろもどろでしたが、それ以上に面白かったのが、Smileなりの文法の解釈。

上の会話で、Smileは「Joy= happiness」というのを知ります。すると、今度は、「形容詞には “-ness”を付ければいいんだ」とルールを導きだしています。

今度はそれを、すでに知っている “scared(怖がって)”という形容詞にも当てはめ、”scared-ness”としています。

同じように、angry(怒っている)という形容詞も、”angri-ness”という風にルールを適用しています。

久しぶりに見たSmileの overgeneralization。間違いではあるけれど、それも言語の成長。

それを目の前で見れるのは、本当に興味深い(過去の記事『言語発達の順序と間違い』)。

よほど 面白かったのか、家を出てすぐに質問の嵐。抽象概念は、日本語でも英語でも答えづらい。わたしが日々 学んでいます。

英語の発達段階

4歳9ヶ月。

過去に、「言語習得順序にはパターンがあり、多くの場合はこのパターンに沿って習得していく」と書きました。

過去の記事:

  1. 発達の順序(文法要素)
  2. 発達の順序(質問文)
  3. 発達の順序(否定の言葉)
  4. 言語発達の順序と 間違い

英語を母語とする子ども達を対象とした理論ですが、第二言語として英語を習得する子にもある程度は参考になると思います。

大体のパターンを分かっていると、子どもが間違ったとしても それを「間違っている!」と不安にならずに、「発達の過程にあるんだな」と捉えることが出来ます。

Smileを観察していても 大体はこのパターンに沿っていたように思います。

今だに、”Where did you bought* (buy) this?(どこで買ったの?)”のように、質問文なのに動詞を過去形のまま使ってしまったり、

冠詞(a/ the)を混同して使ったり、といった間違いはありますが、ある程度の段階は経てきたのかなと感じます。

下の発達順序(質問文)で言うと、ステージ6までは習得しているのではないかと思います。

  1. 1語、または2、3語の文で語尾を上げる(Cookie? Mommy book?)
  2. WhatやWhereを使った質問(What’s that? Where’s daddy?)*ただしチャンクとして使っている
  3. 平叙文で語尾を上げる(You like this? I have some? Why you catch it?)
  4. Can〜?やIs〜?Why〜?を使って質問文を作る(Can I go? Is that mine?)*ただし語順が変わることは認識していない(Why you don’t have one?)
  5. 主語と助動詞の倒置し、Doを用いる(Do you like ice cream?)*ただし、Where使って質問できても、倒置はできない(Where I can draw them?)
  6. 大体の質問文は作れる *ただし、従属節で疑問詞が出てきても、平叙文の語順に直せない(I don’t know why can’t he go out.)

(Lightbown, P.M. & Spada, N. (2000) How Languages are Learned. New York: Oxford Press)

日頃 Smileが耳にしている英語は、わたしからの語りかけが ほとんど。

でもSmileの英語を観察していると、絵本や動画に出てくる表現や、わたし以外の人の英語も インプットとして取り入れていることが分かります。

スピーキングの面だけで言えば、英語ネイティヴの子のような流暢さは ありません。でも今はそれで十分。

Smileの母国語は日本語だからです。

この先、本人がスピーキング力を伸ばしたいと望んだならば、当然 それは本人に任せるし、わたしに出来ることは手伝います。

でも当分は、緩やかに伸びる、あるいは 伸びずとも維持するだけでもいいのかなと考えています。

いつも行くコーヒーショップで、Smileが”Frog and Toad(がまくんとかえるくん)”を読んでいたら、声を掛けてきてくれた お二人。一人は英語圏の方で、インターで音楽を教えているとのこと。

一つのエピソードをSmileが最後まで読み終わるまで、温かく聞いてくれて 本当にありがたい。

わたしはと言うと、そのエピソードが思った以上に長く、ひとり落ち着きなく見守っていました。

ライティングへの意欲

4歳9ヶ月。

先週、Smileがワークブックを始めたと書きましたが、「書くこと」への意欲は どんどん高まっているようです(過去の記事『ワークブックを始めました』)。

でも、英語の取組みでの優先順位は  まだしばらくは リーディングとスピーキングになりそうです。

理由は、「文章を書くこと」は、日本語でも英語でも幼い子どもにとっては難しく、時間がかかるから。

Smileが「書く準備」を始めたのは2歳過ぎ。書く準備と言っても、ドリルやワークブックをするのではなく、運筆力を高めることが中心でした(過去の記事『書きの準備』)。

そして「書くことへの意欲」が高まってきたのは、4歳を過ぎたあたり。

自分の名前を書いたり、単語のスペルを知りたがり、自発的に書こうとする姿勢が見られました(過去の記事『書きの敏感期?』)。

それでも 簡単な単語と 自分の名前が 書ければ しばらくは それで十分かな と特に何もしていませんでした。

「やりたい」と言われても、「うん、もう少ししたらね」と答えていました。

そんな感じで 今回 やっと重い腰を上げて ワークブックを始めたのですが、ワークブックを一緒にやっていて 改めて感じるのは、英語で「書くことは簡単ではない」ということ。

小学校高学年など年齢がもっと上であれば、話せなくても、読めさえすれば 見よう見まねで文を組み立てることは そこまで難しくないと思います。

年齢が低ければ、そうは いきません。

運筆力はもちろんのこと、

ある程度の 語彙力、読む力、文章構成力がなければ、文章単位でのライティングに繋げるのは なかなか難しいと思います。

でも、かと言って話せたり、読めたりしても書けるとは限らない。

たとえば、”giraffe(きりん)”と読めたとしても、その綴りを覚えていなければ書けない。読みと同じで 練習が必要です。

そのため、個人的には ライティングを始めるのは あと一年くらい先でもいいかなと思っています。

でも、なにせ 本人が意欲的。わたしが たじろぐほど。

下の動画は、 “Brain Quest Workbook Grade 1“のリーディング・セクション。

読解力を確認する内容ですが、単語の綴りや 文構造も同時に確認しながら学んでいます。

ワークブックは、わたしもエネルギーを使います。お互いに疲れない程度に のんびり取り組んでいきたいと思います。

上の写真は おうち英語のお友達に触発されて、日記なるものを初めて書いたときのもの。文はSmileが考えて、綴りは全てわたしが横で言いました。

日本語でも英語でも「書くことは楽しい」と思えるような取組みをしていきたいと思います。

胸おどる絵本

4歳9ヶ月。

先日、偶然 図書館で見つけた “This Is My Dollhouse(わたしの人形の家)”という絵本。

 

何気なしに借りたものの、なんともこれが面白い。大人のわたしも、子どもの頃を思い出して ワクワクと胸が踊るような内容。

主人公の女の子が、自分の人形の家を紹介するところから お話は始まります。

主人公の女の子は、段ボールで人形の家を作ります。

クマのぬいぐるみは お父さん。女の子のぬいぐるみは お母さん。ネズミのぬいぐるみは おばあちゃん。

空き箱を使って作ったテレビ、じゅうたんをほんの少し 切り取って作ったラグ、積み木にコンロを描いて作ったオーブン。

手作りの人形の家には、エレベーターもあるし、屋根にはプールもあります。

女の子の想像力でいっぱいの人形の家は、女の子にとって自慢の家。

お友達のソフィも人形の家を持っていますが、ソフィの家はお店で買ったものです。

完璧そのもののソフィの人形の家には、プラスチック製の冷蔵庫もあるし、かっこいいソファもあります。

ソフィは、きっと自分の人形の家を気に入ってくれるはずがない、そう女の子は思います。

そして女の子の家にソフィが遊びに来ます。女の子は人形の家を毛布で隠しますが、ソフィに見つかってしまいます。

そして2人で遊ぶことになるのですが・・・。

とにかく最初から最後まで、子どもの想像力に、こちらがワクワクしてしまうような絵本です。

作者ジゼル・ポター氏の絵も、色鮮やかで見入ってしまう美しさ。

読み終わったあと、”Which dollhouse do you like better?(どっちの人形の家が好き?)”とSmileに聞くと、

女の子の人形の家を指して、”This one! Hers is beautiful.(こっち!女の子の人形の家は きれい)”とSmile。

2人して絵本の世界に入り込んでしまった時間でした。

この絵本を元に、実際に人形の家を段ボールで作ってしまった子の動画がこちら。

こちらの動画も 楽しくて つい見入ってしまいます。いつか こんな人形の家をSmileと作ってみたいなぁ。

遊ぶ力

4歳9ヶ月。

プリスクールに通いだしてから もう3年を超えました(関連記事『インターではないプリスクール』)。

プリスクールに通いだして「良かったなぁ」と思うことの一つに、Smileの「遊ぶ力」が育ったことがあります。

プリスクールに長く通う子は、朝、プリスクールのドアを開けた瞬間から、自分が何をするか自分で分かっています。

お絵かきしたければ、紙とクレヨンを探して、テーブルでお絵かきを始めます。

おうちごっこや、友達と積み木で遊ぶ子も。

でも皆んな、始めはこんな感じではありませんでした。プリスクールに到着しても、何をしたらいいのか分からず、ぐずり始めたり、お母さんの側から離れなかったり。

そのため慣れるまでは、”What would you like to do?(何 したい?)”とか

“Would you like to draw something?(何か描く?)”など お当番のお母さんが声を掛けます。

そして皆んな、段々と慣れてきたら、自分で動いてやりたいことを見つけていきます。遊ぶときも同じです。

基本的に大人は、子ども同士の遊びを見守っています。

慣れていない頃は、子どもから「遊んで、遊んで」と寄ってきますが、遊び方を教えたり、少しだけ手伝ったりして

あとは子ども達同士で工夫してもらいます。

そうすると、子ども達は 特別な遊具や おもちゃがなくても、自分たちで遊びをつくり出します。

その遊び方は、まさに想像力・創造力の かたまり。

プリスクールのママ達は 「遊び相手ではない」と 子ども達が分かっていて使い分けているところも面白い。

遊んでくれる大人を見つけると 宝物でも見つけたように大喜びして甘えます。

なんの変哲もないスカーフで 遊び続ける子ども達。

この日は、大好きなお友達と、着物ファッションショー。延々と30分以上は 遊んでいたでしょうか。

2歳の頃のSmile。この時は 寝んねごっこ。

ワークブックを始めました

4歳9ヶ月。

「ワークブックを始めた」と言うよりも、Smileがワークブックの存在に気が付いてしまった、という感じです。

プリスクールでも 英語のワークブックはやっていますが、週2回に 見開き1ページ程度(関連記事『インターではないプリスクール』)。

平仮名のドリルも 家でやることはありましたが、頻度としては 2週間に一度やるか やらないか。

今回 始めることになったワークブックは、父が 海外出張のお土産で 買ってきてくれた “Brain Quest Workbook Grade 1“。

Grade 1は、フォニックスが定着した状態であれば、楽しく出来る内容ですが、

Smileは、まだ小文字に苦手意識があるので、このワークブックは もう少し先でいいかなと、本棚に仕舞ってありました。

そうしたら、それを見つけたSmileが目を輝かせて、「やりたい!」と。

フォニックス、ライティング、算数…とセクションごとに分かれているので、まず手始めにフォニックスを見開き1ページ。

小文字を書くのに苦戦していましたが、楽しくて、「次のページも」と終わりがない。

さすがに20分ほど経過したところで、 「続きはまた明日ね」と促して その日は お仕舞いにしました。

Smileは、昔からワークブックとかドリルとか 大好きです。パズルや 積み木遊びで延々と遊べる子どもと同じように、延々とドリルをやりたがります。

でも やっぱりワークブックは お勉強の一環。

まだ4歳のSmileには、 お友達と遊んだり、歌を歌ったり、本を読んだり、何もしなかったり、

そんな時間が大切だと思うので、まだ毎日の習慣にはしなくていいのかな、と。

当座は お互いに時間に余裕がある日に取り組みたいと思います。


罫線に従って 書くことに まだ慣れないSmile。

自分の伝えたいことを書けるようになるのは まだまだ先ですが、「書く楽しさ」も徐々に 分かってきたようです。

インプットとモチベーション

4歳8ヶ月。

ちょうど一ヶ月前、Smileが読むことに慣れてきて、スピードも上がってきたと書きました(過去の記事『読みのスピード と 慣れ』)。

そしてここ最近のSmileはと言うと、「少し難しいのも読んでみよう!」という先月のような勢いはないようです。

少し文字数が多いと、”It’s a little difficult for me(ちょっとわたしには難しい)”と言って、途中で閉じてしまいます。

“It’s okay. You’ll soon be able to read it(いいよ。そのうち読めるようになるよ)”と言って、わたしも そのまま。

その代わりに、これまで読んだものや、確実に読めそうなものを「読んでみる?」と差し出しています。

以前に少し触れましたが、言語習得理論で「インプット仮説(comprehensible input)」という理論があります(過去の記事『意味のあるインプット』)。

インプットが、学習者が理解可能なレベルであれば言語習得に繋がるという考え方です。

この理論では、学習者の言語能力よりも少しだけ難しいものが、効果的なインプットとされています。

でも今のSmileは、「どんどん読めて楽しい段階」と、「難しい文章は疲れてしまう段階」との狭間にいます。

そのため、今ここで少し難しいものを与えるよりも、「少し簡単」とSmileが感じるものを 与えた方がモチベーションも上がるのかな、と。

読むことへの自信が低下し、情意フィルター(心の壁)が上がってしまえば、いくらインプットを与えても それは学習には繋がりにくい(関連記事『心地のよい言葉とは』)。

そうなってしまうよりも、「少し簡単」と感じるもので 自信をつけて、「もっと読みたい」という気持ちになって欲しい。

そういう意味で、ただ闇雲にインプット(本やリーダー本)を与えるのではなく、

Smileにとって意味のあるインプット(Smileが負荷なく理解でき、かつ読みたいと思う本)を探し 与えるのが、今この時期 特に必要なのかなと感じています。

下の動画は、Smileのお気に入りの本の一つ、”Put Me In the Zoo(ぼくを動物園に入れて)”を読んでいるところ。

テンポがよく、ところどころ音がライミングしているので Smileにとっても読みやすいようです。

 

同じ日、図書館では紙芝居を読んでくれました。先月は、読むことに関して急成長を見せたSmile。今はなだらかに成長しています。

急成長があり、なだらかな時期があり。それの繰り返しです。

語彙力チェック

4歳8ヶ月。

日本語でも しりとりが大好きなSmile。

最近では、英語での しりとり(word chain)も気に入って 移動時間や待ち時間にしています。

日本語でも そうですが、しりとりをすると Smileの今現在の語彙力が よく分かります。

そして英語のしりとりは、フォニックスや読みのルールも確認できるから 面白い。

  • わたし: Do you want to do Word Chain?(しりとりする?)
  • Smile: Yes! I’m gonna go first. Umm… “bug”! (うん!わたしからやる!えーと、「虫(bug)」!)
  • わたし: “G” ? Okay…”glue”! (「G」?じゃあ…「糊(glue)」!)
  • Smile: “Equilateral triangle”!(正三角形!)
  • わたし: “Equilateral triangle”?! That’s a good one! Okay, then…”egg”(正三角形?それは いいのが出たね!じゃあ…「卵(egg)」)
  • Smile:G….G….”giraffe”(G…G…「キリン(giraffe)」)
  • わたし: “Giraffe”?! Wow. That is really a good one! (「キリン」?!わ!いいのが出てきたね!)

というような やり取りを延々 15分くらい。

「G」には、「グ」という音(goose、gumなど)と、「ジ」(giant、giraffeなど)という音があり、

それを ちゃんと覚えていたことも意外でしたが、

大人でも舌を噛みそうな”equilateral triangle(正三角形)”が 咄嗟に出てきたのは、思わず吹き出しました。

単純なゲームですが、今のSmileの言葉の引出しに どんなものがあるのか 確認でき、わたしも語彙力を試される。

ちょっとでも難しい単語を言えば、すかさず”What’s〜?(それなに?)”と聞かれるので、分かりやすく説明しなくてはいけない。

まさに知恵比べ。

なかなか 言葉が出てこないときは、お互いに英語でヒントを出し合ったりして、そんなのも楽しい。

単純だけど 手軽にできる語彙力チェックです。


頭を休ませる暇をなかなか 与えてくれない4歳児。知恵比べに 根比べ。小さいけれど、なかなか手強い相手です。