厳しい世界?

4歳6ヶ月。

シアトルの滞在も あと2日。いとこのSくんの日常に触れながら、日々を過ごしています。

そしてアメリカでの日常を垣間見る中で、「バイリンガルである意味」を改めて考えさせられています。

昨日、動物園であった出来事。ジャングルのような園内を歩き、最後に室内の遊び場に行った時のことです。

その遊び場には 巨木をイメージした遊具があり、かなり急なハシゴを登ると 中には滑り台が。そのハシゴを登らないと滑り台に到達できないようになっています。

足場が らせん状になっているハシゴは3歳と4歳にはまだ登るのがやっと。SmileもSくんも 恐る恐る足をかけるという感じ。 

そこへ、少し年齢の大きな子たちが すごい勢いで代わる代わるやってきました。どうやら追いかけっこをしているよう。ハシゴの途中にいる2人は 押される形に。

上からも下からも代わる代わる来る子たちに対して  2人は どうしていいか分からずハシゴの途中で立ち往生。

足を滑らせて落ちたら、怪我をしそうな高さでもあるので、しばらく見守っていたこちらも ハラハラ。ついに姉が見兼ねて子どもたちに声を掛けました。

  • 姉: Okay. one at a time, please.(はい。1人ずつね)
  • わたし:Smile, go up the ladder and go in there. (Smile、ハシゴを上がって、そこに入って)

ハシゴの途中には踊り場があって、滑り台に行けるようになっています。とにかく2人をその踊り場まで行かせたい。

Smileは、降りて来る女の子を何とか避けて 踊り場に到達できました。

残るはSくん。その間も 追いかけっこをしている子たちが次々とSくんを 押しのける勢いでやってきます。

そこでまた姉が子どもたちに一言。

  • 姉:Hey, one at a time. (ほら、1人ずつね)
  • わたし:《下から上がって来る女の子に対して》Careful. A boy is coming down.(気をつけて。男の子が降りて来るから)

そこで ようやく流れが一瞬止まり、Sくんも踊り場まで到達できました。

ただの遊び場。だけれど、何だか社会の縮図を見ているかのようでした。

前に出るためには 自分から どんどん主張しなければならない。相手に聞かれるまで待っていたり、受け身になっていたりしたら、前には出られない。

大学院時代も そうであったことを思い出しました。

アメリカでは 英語を話すことは 当たり前であって、日本ほど「バイリンガルであること」が利点になる訳ではなく、

反対にマイノリティ(少数派)として意識せざるを得ないことも多々 出てくるな、と。

将来、もしSmileが日本を拠点に住むのであれば、英語が出来ることは利点になり得るかもしれない。

でも、もし英語圏を拠点とするのであれば、英語は出来て当たり前。それ以外の能力がなければ そこで生まれ育った人たちと同じ土俵に立つことができない。

多様性に関しても同じ。日本にいたら「多様性を受け入れる柔軟性」が大切だと感じるけど

一歩 日本の外に出たら、マイノリティ(少数派)。自分から「多様性を主張する」強さも必要になってくると思います(過去の記事『どんなバイリンガルになって欲しいか』)。

Smileが何に興味を持って、何を自分の強みとするのか。そういうところも見て Smileと日々 接していきたいです。

ジャングルのような園内。アフリカン ゾーン、トロピカル・アジアゾーン…と分かれていて面白い。

  • Sくん: I wanna do it, too!(ぼくもやりたい!)
  • Smile: He already did it many times! I want to do it.(Sくん たくさんしたもん。わたし やりたい)
  • Sくん: She’s not sharing!(独り占めしてる!)
  • わたし: You two can take turns, okay? (交互にやれば いいでしょ?)

こんな やり取りが毎日。「自分が 自分が」の2人。でも こんな自己主張が 大切なのかもしれません。

図書館の story time

4歳6ヶ月。

シアトル6日目の昨日は、姉の家の裏にある図書館でやっている ストーリータイムに行ってきました。

ストーリータイムは10時から。図書館が開くのが10時。少し前に行くと、図書館の前に 親子連れの列が既に出来ていました。

今日の本は、”Good Night Owl“(おやすみ ふくろう)。

ストーリータイムは30分で、手遊び歌を歌ってから絵本。日本の絵本タイムと似た感じなのだけれど、とにかく 子どもたちの心を掴むのが上手い。

  • Mrs. Lisa: 《犬の人形を袋から取り出し》What’s this?(これは何?)
  • 子どもたち:A doggy!(わんちゃん!)
  • Mrs. Lisa: That’s right! What does a dog say?(正解!犬はどうやって鳴く?)
  • 子どもたち: Woof woof!(ワンワン!)
  • Mrs. Lisa: 《ネズミを取り出し》Okay, then what’s this?(じゃあ これは何?)
  • 子どもたち: A mouse!(ネズミ!)
  • Mrs. Lisa: What does a mouse say?(ネズミはどうやって鳴く?)
  • 子どもたち: Squeak squeak!(キーキー!)

Smileも他の子に負けじと大声で叫んでいるのが可笑しかったです。

実はこのネズミ、 このあと読む絵本で登場する重要なキャラクター。

主人公のフクロウが 寝ようとすると どこからか聞こえる、”squeak!(キー!)”という音。

その音の正体を突き止めるために、フクロウは家の床や食器棚、最後は壁まで壊してしまうというお話なのですが、導入でやった ネズミの鳴き声がここに繋がるのです。

SmileとSくんは 最初から最後まで 話に夢中。

そして絵本のあとは、Smileの大好きなパラシュートで締め。

たったの30分。でも大人も息切れするほどの熱気。
こんな楽しいストーリータイム、近所にあったらなぁ と思うと同時に、

わたしも 子どもたちが もっともっと夢中になるような絵本読みをできるようにならねば と身が引き締まる思いでした。

春を感じられる絵本

4歳6ヶ月。

ポートランドとシアトルで何冊か 春を感じられる絵本を買いました。

読み聞かせた中でも、Smileと いとこのSくんが気に入ったのが、写真(右上)の”The Big Bunny and the Easter Eggs“(ビッグバニーとイースターエッグ)。

ウサギのウィルバーは、とっても大きい。耳も足もとっても大きい。

だからイースターバニーに選ばれました。

ウィルバーは とっても大きいので イースターエッグが入ったバスケットをたくさん運べます。足も長いので、長い距離もひとっ飛び。

ウィルバーはイースターの前夜に卵を運ぶので、子ども達に姿を見られることはありません。そして今年もウィルバーは、イースターの仕事に早めに取りかかりました。

卵を染めて、綺麗な模様を描いて、お菓子もたくさん用意して準備万端。

ところがイースター前夜。ウィルバーは風邪をひいてしまいます。頭はガンガンするし、鼻もズルズル。ベッドから出られません。

時間が経ち、ウィルバーの友達がやってきて、ウィルバーを急かします。それでもウィルバーは起き上がることができません。

仕方ないので、ウィルバーの友達は手分けをして イースターエッグを子ども達に届けようとするけど、思った以上に大変。

転んでしまって卵が割れたり、ワゴンに積んだバスケットが全部ひっくり返ってしまったり。

どうにもこうにもいかなくて、友人たちはウィルバーに助けを求めに戻り、しんどくて横になっているウィルバーを叩き起こします。

「仕方がないなぁ。僕の仕事だから やるよ。でも皆んなにも手伝って欲しい」と、悪化する体調にムチを打ってウィルバーは渋々 引き受けます。

あと少しで太陽が昇ります。そんな中、ウィルバーは一軒一軒まわり、イースターバスケットを置いて周ります。何度も誰かに姿を見られそうになりますが、友達がウィルバーを助け出します。

とっさに隠れたり、ベッドの下に潜ったりして、バスケットが置かれたのはどれもヘンテコな場所。

どっと疲れたウィルバーは倒れるようにして寝てしまいます。友人たちは そんなウィルバーをワゴンに乗せて連れて帰りました。

一見すると、風邪で寝込んでいるところを叩き起こすなんて 酷だなぁ、と思いつつも

イースターバニーという重要な任務を最後まで果たそうとするウィルバーが なんとも健気。

SmileもSくんも、”Poor Wilbur! He got sick!(可哀想なウィルバー。風邪引いちゃった!)”と言いながらも、ウィルバーの頑張りから目が離せない様子。

最後は、無事に子どもたちにイースターエッグが配られて 一安心。

Smileには 馴染みのない イースター(復活祭)の習慣。染料を買ってきたので、アメリカにいる間にイースターエッグを作ってみようと思います。

アメリカで 日本語環境

4歳6ヶ月。

今日は いとこのSくんの日本語のプリスクールの日。週4回、9時から12時まで通っています。

Sくんをドロップオフする時に少しだけ中を覗きましたが、一歩 中に入ると、そこは日本語空間。

日本語のカルタや、日本のアニメのパズル、公文のワークブックがたくさん。

国際結婚をしている家庭、駐在でシアトルに住んでいる家庭、マルチリンガル育児をしている家庭の子が来ているようです。

プリスクールの間、Smileは裏の公園で遊んだり、コーヒーショップで絵本を読んだりして時間を潰していたのですが、11時から外遊びになったので、Smileも皆んなに加わることに。

Sくんはというと、お友達に いとこを 自慢したくて仕方ない様子。

  • Sくん:You gotta meet my cousin!(いとこに会って!)
  • Sちゃん:I know! (知ってる!)
  • Sくん:《大きな声で叫んで》Smileちゃん、どこ?
  • Smiile:Sくん、ここ!

子どもたちを観察していて興味深かったのが、やはり子どもたちの言語の切替。先生たちは終始 日本語だけれど 子どもたちは夢中になると英語に。

アメリカ生活が長いお母さんに話を聞くと、上にお兄ちゃんやお姉ちゃんがいると、家ではどうしても英語になってしまうのだとか。

お母さんが日本語で話しかけても、英語で返ってくるとのこと。

日本で英語環境を作ることが難しいのと同様、アメリカで日本語環境を保つのは難しいようです。

でもやっぱり共通することといえば、言語に対して抵抗を感じないように工夫をする、
それから、その家庭や子どもに合わせて決めた方針を継続する ということでしょうか。

そして その方針は、子どものアイデンティティや環境が変わるのと同じように、動的でなければならないと感じます。

Sくんのサッカーの練習を遠目から眺めているSmile。参加したくてウズウズ。

サッカーのコーチに話しかける子どもたち。

下の動画は、サッカーの練習が始まる前に、2人でボールの蹴り合いをしているところ。

動的なバイリンガル育児

4歳6ヶ月。

アメリカに来てから6日が経ちました。Smileと、いとこのSくんの言語使用を観察していると非常に面白い。

わたしはSmileに英語で話し、姉はSくんに基本的に日本語で話します。共通点はあるものの少し質が違うバイリンガル育児です。

そのため、滞在中の言語使用はどうなるのかな、と思っていましたが、何となく うまくまとまっているのが面白い。

1日の中でも、2人の言語使用は 大体3パターンくらいあります。

1. 英語話者である義兄がいるときは、大人も英語になるので、SmileもSくんも 9割が英語。

2. 義兄がいないときは、大人は日本語になるからか、2人の会話も少し日本語のやり取りが増えます。

3. でも2人の世界に入り、遊びに夢中でになっているときは 会話は英語。

Smileの母国語は日本語です。わたしが英語と日本語で育てているので、母語は日本語。第一言語は日本語と英語という感じでしょうか。

Sくんの母国語は英語。母親が日本人で、父親がアメリカ人なので、母語は日本語と英語。

英語に関して言えば、Sくんの ちょっとした言い回しや表現は、やはり英語が 母語であり母国語なんだなぁと感じます。

Smileも自分の気持ちを英語で十分に表現できていると思いますが、英語圏で使われる 独特の言い回しは、今の環境では なかなか身に付きません。

でも 今はそれで十分だと考えています。

英語ネイティヴのような流暢さを目指すよりも、文化や言語の壁を意識せずに相手とコミュニケーションを取ろうとする柔軟性を今後も大切にしたい。

改めて そう感じています。

2人で口げんかしているところ。喧嘩するほど…とは 良くいったもの。

カテゴリー 4歳

オレゴンの科学博物館

4歳6ヶ月。

ポートランド3日目は、オレゴン科学産業博物館(OMSI:Oregon Museum of Science and Industry)に行ってきました。

ちょうど今、LEGO展をやっているのですが、これがまた本格的な作品で子どもよりも大人が夢中になってしまうほど。

子ども達は、”It’s scary!(こわい!)”と言いながらも結構 楽しんでいる様子。

Sくんが大好きなティラノサウルスも最後に登場。これら全てが お馴染みのLEGOで出来ているというのだから驚きです。

展示が終わると、そこには子ども達が実際にLEGOで遊べる空間が。Smileも、今までに見たことないほど夢中でLEGOで遊んでいました。

展示室以外の部屋では、遊びながら科学の仕組みを学べる場所があります。

Smileには まだ少し難しい内容が多かったですが、120%楽しんでいました。特に興奮して離れようとしなかったのが、砂場と水遊び場。

水場では、服が濡れないようにスモックも用意されていました。

入場してから3時間みっちり。さすがに大人もクタクタ。

それでも これだけ子どもが遊びに夢中になっているのを見れて満足満足。

Smileが OMSIに来るのは2回目。前回は2歳のときでした。次回また来る機会があったら、今回以上に楽しめるといいなぁ。

何時間いても飽きない場所

4歳5ヶ月。

おとといは、世界最大規模の本屋と言われるPowell’s Booksに行きましたが、やっぱり何時間あっても足りないくらい楽しい。

義兄がSmileと いとこのSくんに読み聞かせをしてくれている間に、わたしは本探し。数時間でも見きれないほどの絵本の数々。やはり規模が違います。

お店によるポップを読むのがまた楽しい。

読みの練習用にリーダー本もたくさん買おうと思いましたが、おうち英語の仲間に借りている本と重複しているものが多かったので、それは またの機会に。

代わりに、いずれ揃えようと思っていたMagic School Busが中古で結構 揃っていたので、それを中心に買うことにしました。

上の本のほとんどが2ドル50セントと、だいぶお買い得。大型書店で、中古も置いてあるのは有難い。

ここ最近で教育的な内容に触れることも多くなって来たので、そろそろMagic School Busも買いたいなぁと思っていたところ。ちょうど良かったです。

本を探すこと1時間半。まだまだ欲しい本はたくさんありましたが 後ろ髪引かれる思いで 本屋を後に。

今日はシアトルの姉家族の家へ向かいます。大きな図書館が家の隣にあると Smileに言うと、”Yay! I’m excited!(わーい!楽しみ)”と、今からとても興奮気味。

楽しみです。


店内は広すぎてまるで迷路。そんなところも魅力。

即興力

4歳5ヶ月。

ポートランド2日目は、ポートランドのダウンタウンあたりを散策。目当ての本屋も行けました(過去の記事『週末からポートランド』)。

中でも 特に楽しかったのが、Portland Leather Goods(革製品のファクトリー)での買い物。

ひと気のないビルの2階にあるファクトリーのドアを開けると、そこは天井が高く開放感いっぱいの作業場。一瞬、場所を間違えたと思ったら、Tシャツ姿のオーナーが にこやかに近づいてきました。

今は改装中だから、商品を少し移動しているけれど自由に中を見ていいとのこと。

Smileが作業道具を触ろうとしたので、注意しようとしたら すかさず オーナーが”You can touch whatever you want, sweetheart.(お嬢ちゃん なんでも触っていいよ)”と。

そして、日本から来たことを聞くと、「なんと!じゃあ、どうやって商品が作られるか見せよう」と言って、即興の革製品づくりのツアー開始。

子ども達にも分かりやすいように、作業工程を説明してくれ、実際にどうやって刻印するのかも見せてくれました。

写真を撮っていいかと聞くと、”Of course! You can do whatever you want!(もちろん!何してもいいよ)”と、どこまでも気さく。


そして商品を購入し、帰ろうとすると、「小さい頃からの憧れなんだけど」と話し始めたオーナー。

「革のカバーがついたダイアリーに日誌をつけたかったんだ。この子たちも つけてくれたら嬉しいな。これは子ども達に。」と言って手渡されたのが、革のカバーがついたノート。

ポートランドは今回で3回目。でも短い滞在で感じるのは、ここの人たちの即興力。その場の空気やタイミングで行動する感じに魅力を感じます。今回の即興ツアーもその一つ。

日本では なかなか出会うことのない 即興の空気。遠慮のない子ども達の大胆さが こういった貴重な出会いや経験を引き寄せるのかもしれません。

   

Smileがもらった 革のノートとタグ。タグの刻印はその場でしてくれました。

   

刻印の型を温めているところ。こちらがオーナー。