発達の順序(文法要素)

【Developmental Sequences(発達順序)】

言語習得理論でよく言われるのが、習得順序にはパターンがあり、多くの場合はこのパターンに沿って習得していくということです。Smileの言語成長を観察していても、大体このパターンに沿っています。

つまり、三人称単数の-s、進行形の-ingなどの文法要素は段階を踏んで習得していくということです。そしてこの文法要素だったり、特定の表現の習得は、子どもの認知能力の発達とも大きく関わっていると言われています。例えばSmileのように、”in the morning“や”two years ago“などの表現を使っていても、概念的に理解はしていないため、習得しているとは言えません。認知能力的に習得段階に達していないからです。

下が、Grammatical morphemes(文法的に意味を持つ最小の単位)の発達順序です。

  1. 現在進行形 -ing(Mommy running
  2. 複数形 -s(two books
  3. 過去形の不規則変化(Baby went
  4. 所有格 ‘s(Daddy‘s hat)
  5. 連結動詞(Annie is a nice girl)
  6. 冠詞 the/a
  7. 過去形の規則変化 -ed(She walked
  8. 三人称単数 -s(She runs
  9. 助動詞(He is coming)

(Lightbown, P.M. & Spada, N. (2000) How Languages are Learned. New York: Oxford Press)

ただ、チャンク(かたまり)で決まり文句のように使う場合もあるため、特定の文法要素を使えていたとしても、必ずしもそれを習得しているとは限りません。Smileも、“That’s mine.”という表現を2歳0ヶ月で使っていましたが、”That is mine.”というように、連結動詞のbeを習得していた可能性は低く、“That’s”を一語として認識したように思います。

皆んながこのパターンに沿って同じ速度で習得するという訳ではないらしいですが、「9. 助動詞」を習得した子どもは、高い確立で「1. 現在進行形」を習得していると、研究で結果が出ているそうです。そして興味深いことに、その逆は当てはまらないそうです。つまり、「1. 現在進行形」を習得した子どもが「9. 助動詞」を習得しているということはないそうです。

これは英語を第一言語として習得していった場合の順序ですが、第二言語として英語を学習した場合もある程度は同じような順序をたどるそうです。

6 thoughts on “発達の順序(文法要素)

  1. 確かに!!理解することと使えることは違うんですよね。
    でも文法的なルールは理解していなくても、チャンクで慣れるところから始まり、後付けで意味や概念を理解するからこそ、日本語を介さず英語を英語のまま理解出来るようになるんでしょうね。
    その点、いわゆる日本の学校教育の英語から学んだ場合、言い慣れる事をすっ飛ばして意味の理解、文法的概念の説明から入るから英語を英語のまま理解出来なくなっちゃうのかな…って思いました。

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  2. コメントありがとうございます!本当、aryuaryuさんのおっしゃってるように、繰り返し使って慣れることを飛ばしてしまうから、英語のルールは分かっても使えない状況が生まれてしまうんでしょうね…

    日本語の対訳を言ってしまえば理解は早いですが、その代わり英語で理解はせず、「りんご=apple」と頭で訳す癖がついてしまうのかもしれません。娘には両言語で考えて欲しかったので、リンゴを指して、”What do say it in Japanese?”と言った質問はしないようにしていました。英語の答えを引き出すときは、”What’s this?” と聞き、日本語の答えを引き出したいときは、日本語で「これ何?」と聞くようにしていました。時間はかかりますが、それで「日本語で考えるとき」と「英語で考えるとき」を区別できるようになったのかなぁと感じています^ ^

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  3. こんな研究がされているんですね。
    すごく勉強になります。
    そうして英語スイッチと日本語スイッチができていくんだな思うと感服です!2倍おもしろいですね。

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    • 60年以降、有名になった研究らしく、この研究結果に基づいて文法の授業を組んだりという試みもあったそうです。

      どういうときに日本語になるんだろう?と、娘を見ているとちょっと面白いです。このまま偏りなく成長していってくれると嬉しいです^^

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  4. 興味深いです!
    助動詞の習得がこんなに後だということ、過去形の不規則変化が、過去形の規則変化よりも習得が先だということ、驚きでした。
    でも確かに、大して英語が話せる訳ではないうちの息子達も、現在進行形は早くから使い出したような気がします。
    過去形の不規則変化については、我が家はすっぽり抜けてすすんでいるような気がしますが、これはとりまく環境の違いなんでしょうね(周りに英語話者がいない)。
    今後の親子英語の参考になりました。
    ありがとうございます!!

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    • ハハさん、コメントありがとうございます!過去形の不規則変化が規則変化よりも早いのは、多分、過去形とは認識していないけれど、「音」で覚えてるのかなぁと思います。

      “Daddy’s gone to work”(行っちゃったね)とか、”Are you done?”(終わった?)とか、”You ate them all?!”(全部食べたの?!)とか、結構意味的に理解しやすく、マネしやすいのだと思います。でも「過去形、過去分詞形」という認識はないんだろうなぁと感じました。

      質問形にも順序があって面白いので今度書きたいと思います^_^

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